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本のデータ化を自分でやる方法は?裁断とスキャンの手順

積み上げた本を前にして、最初に決めるのは背を裁断するかどうかです。裁断して紙を自動で送るタイプのスキャナーに通せば1冊を数十分で取り込めますが、本は冊子の形には戻りません。

もう一つ先に確かめたいのが著作権の線引きです。

著作権法30条1項は私的使用のための複製を「その使用する者が複製することができる」と定めていて、自炊代行をめぐる訴訟では知財高裁が複製しているのは業者だと認定し、30条の適用を否定しました。

自分でスキャンする作業が代行に置き換えられないのは、この判断があるからです。

本記事では、本のデータ化に要る機材・裁断から保存までの手順・1冊あたりの所要時間・裁断しないほうがよい本の見分け方を解説します。

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※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

本のデータ化は裁断するかしないかで必要な機材が変わる

本を裁断してスキャンし、データとして残すことを「自炊」と呼びます。

裁断するかしないかで、そろえる道具も作業時間も別物になるので、機材を買う前にどちらでいくかを決めてください。

迷ったまま買い足すと、使わない道具が1つ残ります。

裁断して読み取るときにそろえるもの

紙を自動で送り込むタイプのドキュメントスキャナーと、背を落とすための裁断機が要ります。

手元に無いと作業が止まるのはスキャナーのほうで、1枚ずつガラス面に伏せて読み取るフラットベッド型しかない場合、300ページの本では150回ふたを開け閉めすることになります。

裁断機はギロチン式とローラーカッター式が一般的で、一度に切れる枚数と作業スペースが違います。

カッターナイフと定規でも切れますが、厚い本では切断面が斜めになり、あとで紙詰まりの原因になります。

スキャナー側で見ておきたいのは、両面を一度に読めるか、傾きを自動で直せるか、2枚重なって送られたことを検知できるかの3点です。

重送の検知が無い機種では、ページが飛んだことに気づかないまま作業が進みます。

媒体ごとにどの機材が要るかはデジタル化を自分でやるのに要る機材で解説しています。

裁断せずに読み取るときにそろえるもの

本を開いた状態で上から撮る方式になるので、オーバーヘッド型のスキャナーか、スマートフォンと書籍向けの補正アプリを使います。

あわせて本を開いた形で支える台と、影が落ちない明るさの照明があると仕上がりが安定します。

現物が手元に残る代わりに、1ページずつめくって撮るので、同じ300ページでも作業時間は裁断ルートの数倍になります。

綴じが固い本は開いた中央が谷のように沈み、文字が湾曲して写ります。

パソコンと保存先の条件

パソコンはUSBでスキャナーをつなげて、ソフトが動けば足ります。

見落としがちなのは保存先のほうで、カラー300dpiで読み取ると1冊で数百MBになり、冊数が増えればそのぶん容量を食います。

外付けドライブ1台にだけ置いた状態は、まだバックアップになっていません。

1台が壊れたら原本の紙はもう無いので、保存先は最初に2か所決めてから読み取りを始めてください。

裁断した本をスキャンする手順と、各段階でつまずく点

作業は3段階に分かれます。どの段階でも、失敗が取り返しのつかない形で残るのは最初の裁断だけです。

背を落とす

カバーと帯を外し、表紙と本文を分けます。

厚い本はそのまま裁断機に入れず、数十ページずつに割ってから切ってください。

欲張って背ぎりぎりで切ると糊が残り、糊の付いたページどうしが2枚一緒に送られます。

逆に余裕を見すぎると本文の文字が切れます。

糊の層が厚い本では、背にアイロンの熱を当てて接着を緩めてから剥がす方法もありますが、紙が波打つことがあるため、仕上がりを確かめたい本ではまず数ページで試してください。

切ったあとは、断面を指でなでて糊の残りと紙の毛羽立ちを確認します。ここを省くと、読み取りの最中に紙詰まりで何度も止まります。

読み取る

解像度と色のモードを決めてから、最初の10枚ほどを試しに読み取って画面で確認してください。

本文の級数が小さい文庫や、ルビの付いた本は、この段階でつぶれていないかを見ます。

一度に給紙トレイへ載せる枚数は機種ごとの上限を守り、写真や図版の多いページは本文と分けて設定を変えて読み直すほうが結果が安定します。

ページを確認してファイルにまとめる

読み取りが終わったら、ページ番号が連番でつながっているかを確認します。

全ページを1枚ずつ開く必要はなく、サムネイルを並べて流し見れば、白紙・上下逆・大きな傾き・重送による飛びはほとんど見つかります。

ファイル名は書名と著者名、巻数まで入れておくと、冊数が増えたときに探せます。

文字を検索できるようにしたいならOCR(文字認識)をかけますが、認識率は紙の状態と字体で変わるため、検索に出てこないページも残ると考えておいてください。

同じ流れで書類もデータにする場合、スキャナーとアプリの使い分けは書類のデータ化方法で解説しています。

1冊あたりの所要時間は、読み取りより下準備と確認が長い

自動給紙のスキャナーなら、300ページの単行本の読み取り自体は十数分から数十分で終わります。

それでも1冊が1時間近くかかるのは、前後の作業が残るためです。

カバーを外して数十ページずつに割り、裁断して断面をそろえる下準備と、読み終えたあとのページ確認とファイル整理のほうが、実際には長く手が取られます。

冊数を掛けると実際の負担が分かります。

1冊40分として10冊で6時間を超え、休日が1日消えます。

100冊なら、週末ごとに作業しても数か月の仕事です。

途中で止まると、裁断済みの紙束と読み取り待ちの本が混ざって、どこまで終わったのか分からなくなります。

先に順番を決めてください。

読み返す頻度が高いもの、場所を取るもの、紙が弱ってきているものから手を付けると、途中でやめても得たものが残ります。

並行して実家のビデオテープや写真も片付けたい場合、テープのほうは機材が手に入らない媒体があるので、ビデオテープのデジタル化の方法と費用で媒体ごとの事情を解説しています。

本のデータ化は解像度と色の設定でやり直しが出る

読み取りの設定は、あとから上げ直すことができません。

低い解像度で読んだファイルを拡大しても、情報は増えないからです。

文字中心の本なら300dpi、ルビや細い罫線、網点の図版まで読ませたいなら600dpiという設定がよく使われます。

迷ったら高いほうで読み、容量が問題になってから落とすほうが安全です。

色のモードも仕上がりを左右します。

白黒2値はファイルが軽くなる反面、写真やグラデーションはつぶれて真っ黒か真っ白になります。

グレースケールは中間の濃さが残り、カラーは紙の日焼けや地色まで写るので容量が増えます。

薄い紙の本では裏のページが透けて写り、補正で消そうとすると薄い文字まで一緒に消えることがあります。

もう一点、元の紙に印刷されている以上の情報は増えません。

日焼けによる変色、にじみ、印刷の粗さ、虫食いは、どれだけ高い解像度で読んでもそのまま残ります。

補正で見やすくできる場合はありますが、新品の本に戻るわけではありません。

裁断した紙束は読み取りが終わってすぐに処分しないでください。

設定を間違えていた場合、紙が残っていればもう一度読み直せます。

確認が済むまでは数日だけ取っておく、という運用にすると失敗が致命傷になりません。

自分でスキャンしないほうがよい本

次に当てはまる本は、裁断してはいけません。失ったあとで取り戻す方法がないものが混ざっています。

  • 絶版や入手困難で、同じものを買い直せない本
  • 著者のサインが入った本、贈り物として受け取った本
  • 図書館で借りた本、人から借りた本(自分の所有物ではないので裁断できません)
  • 糸でかがって綴じた厚い本、革装の本、和綴じの本(裁断機が通らず、無理に切ると本文まで傷みます)
  • 見開きで1枚になっている写真・地図・楽譜(中央で分断され、つないでも継ぎ目が残ります)
  • 色の再現が目的の美術書や写真集(家庭用のスキャナーでは印刷の色をそのまま再現できません)

見開きの図版は、裁断せずに上から撮る方式に切り替えれば残せます。

1冊のなかに通常のページと見開きの図版が混ざっているなら、図版のページだけ先に撮ってから残りを裁断する手もあります。

教科書や参考書のように、学校や試験で使うものを自分でデータにしてよいかという線引きは教科書のデータ化で解説しています。

自炊代行に頼めない理由と、自分でやれる範囲

本のデータ化だけは、ビデオテープや写真と事情が違います。作業を他人に頼むという選択肢が、法律上ふさがっているからです。

複製の主体が誰かで扱いが変わる

著作権法30条1項は、私的使用を目的とする場合に「その使用する者が複製することができる」と定めています。

本人が複製することを前提にした条文なので、業者が代わりに作業すると前提が崩れます。

書籍の自炊代行をめぐる訴訟では、知財高裁が複製を行っているのはユーザーではなく業者であると認定し、30条1項の適用を否定して代行業者の控訴を棄却しました。

一審も同じ判断でした。

この構図があるため、手元の本をデータにしたいなら自分で読み取ることになります。違法かどうかの最終的な判断は個別の事案によるので、手元のケースで心配があるときは専門家に相談してください。

自分でやる場合でも外れる範囲がある

自分で読み取ったデータでも、家族や自分が使う範囲を超えて配る、ネット上にアップロードするといった使い方は私的使用から外れます。

また30条1項2号は、技術的保護手段の回避を伴う複製を適用の対象から除いています。

電子書籍のコピー制限を外して別形式で保存する行為は、自分でやっていても30条では守られません。

回避の方法には本記事では触れません。

一方で、自分や家族が撮った映像・写真は著作権者が本人の側にあるので、業者に出しても問題になりません。

押し入れから本と一緒にビデオテープが出てきた場合、テープのほうは代行を使えます。

媒体別の費用の考え方はダビングとデジタル化の料金相場で解説しています。

機材代と時間で割に合わないときの代わりの手

冊数が少ないなら、スキャナーと裁断機を買う費用と設置場所、作業にかかる休日を足したときに、電子版を買い直したほうが早い本もあります。

読みたい本に電子版が出ているかを先に調べてください。

機材を買うかどうかは、何冊を読み取るつもりか、来年以降も使う予定があるかで決まります。

10冊で終わる見込みなら、そのために道具一式をそろえる理由は薄いです。

よくある質問

裁断しないで本をデータ化できますか

できます。

本を開いた状態で上から撮るオーバーヘッド型のスキャナーや、スマートフォンの書籍向けアプリを使う方法です。

現物が残るので借りた本や貴重な本にも使えますが、1ページずつめくって撮るため時間がかかり、綴じの固い本では中央が沈んで文字が湾曲します。

スマートフォンのアプリだけで済ませられますか

数ページから十数ページなら現実的です。

1冊分となると、撮影のたびに手でページを押さえ、傾きと影を確認する作業が300回近く続くので、途中で手が止まります。

冊数をこなすなら自動給紙のスキャナーを使ったほうが続けられます。

自炊代行の業者に頼むのは違法ですか

自炊代行をめぐる訴訟では、知財高裁が複製しているのは業者だと認定し、私的複製を定めた著作権法30条1項の適用を否定して代行業者の控訴を棄却しました。

本をスキャンする作業を他人に任せる形は、この判断を踏まえると難しいと考えられています。

個別の事情については専門家に相談してください。

電子書籍のコピー制限を外して保存してもいいですか

できません。

著作権法30条1項2号が、技術的保護手段の回避を伴う複製を私的複製の対象から外しているためです。

自分で買った電子書籍であっても、この点は変わりません。

スキャンしたあとの紙は処分していいですか

設定の確認が終わるまでは取っておいてください。

解像度が足りなかった、裏写りが消せていなかったといった失敗は、全ページを見るまで気づかないことがあります。

紙が残っていれば読み直せますが、処分したあとでは戻せません。

処分する際の区分は自治体によって違うので、お住まいの自治体の案内で確認してください。

1冊にどれくらい時間がかかりますか

自動給紙のスキャナーを使う場合、300ページ程度の本で読み取りそのものは十数分から数十分です。これにカバーを外して裁断する下準備と、ページの抜けを確認してファイルにまとめる作業が加わるので、1冊で1時間近くかかると見込んでおくと予定を立てやすくなります。

まとめ

本のデータ化を自分でやるかどうかは、裁断してよい本かどうかで最初に決まります。裁断できるなら自動給紙のスキャナーで1冊1時間を目安に進められますが、絶版本や借りた本、糸かがりの厚い本は裁断すれば戻せないので、上から撮る方式に切り替えるか、そのまま残す判断になります。

そしてビデオテープや写真と違い、本は作業を業者に任せる道が実質的にふさがっています。

知財高裁が自炊代行について複製の主体は業者だと認定した以上、自分の手で読み取るか、電子版を買い直すかの二択です。

ぜひ本記事の必要な機材・3段階の手順・裁断しないほうがよい本の一覧を参考に、最初の1冊から取りかかってください。

出典

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